EXPOの記録、カメラと人の認知、そして時代の終わり

先日、ようやく現像に出した写真が帰ってきた。初めて万博の思い出とあいま見える。

EXPO 2025 という入口ゲートの看板。人々は日傘をさしている。

祖父のゴツいカメラに憧れ、母に使い捨てカメラを持たされて育った。大人になったらフィルムカメラを当たり前に持てるものと思っていたから、現在の状況には目を疑った。

フィルムが 1 本 2000 円以上するのをヨドバシカメラで確認して驚いた。前にフィルムを買ったのは、ほんの 2〜3 年前のことで、コダックが 700 円くらいで買えたはずだ。

ポーランド館内部。木でできたレリーフからコモンズ館を眺める。

ストレージ問題という言葉があったはずだが、辞書には立項されていなかった。デジタルカメラによって大量に写真が撮影できるようになった。情報は増えれば増えるほどエントロピーが増大し、整理するための労力がかかる。蓄積された思い出を振り返るためのアルゴリズムが必要になる、といった話だったように思う。

ポーランド館を遠くから眺める。木造の網目構造が見える。

人間関係の増大に投入できるコストは代謝と平衡し、つまり友達の数には限界がある。分散型ソーシャルネットワークの勉強会を開いて久しいが、ソーシャルネットワークの構築にダンバー数を考慮すべきとする声は絶えない。ソーシャルネットワークは、バニラ状態で人間向けになっていない。私自身、フォロー数は 100 を超えないようにしている。超えたら誰かに犠牲になってもらう。

万博を高台から俯瞰した様子。人々が粒のように見える。

同様に、人間の振り返られる思い出にも限りがあるのではないか。厳選すべきではないか。人が認知できるものには限りがある。

だから、私は十進分類法が好きだ。厳選された階層型の分類は美しい。部屋にある書籍は NDC で整理しているし、PC のデータは ジョニー十進分類法 で整理している。人間の認知が考慮された論理アドレスから、人間の手に余る物理アドレスに解決できる手段を用意している。

木の柱でできた「丸屋根リング」を内部から眺める。

おかしい。始めは「整理しきれない写真など撮るくらいなら、はじめから厳選した場面でしか撮らないようにしよう」的な話をするつもりだったのだが、普通に解決手段を提示してしまった。ストレージ問題は、論理アドレスと物理アドレスで解決すればよいのだ。

問題は論理アドレスの設計にある。このままの流れで行けば、十進分類法のように階層型になるだろう。しかし、連想型という手もある。写真と写真に関連付けをしておく。ウェブのトポロジーだ。いずれにせよ、人間の主観に基づく必要がある。思い出しやすいのが大切だ。思い出なのだから。

丸屋根リングの上。上が開けた歩道を眺める。

ここで人力の整理を必須とするかで流派が分かれるだろう。いまは機械が人間を模倣する時代だ。計算機のなかに贋作家がおり、鑑定家がいる。2 人を戦わせ、より高度に贋作を作り、それを見破るようになる。これを敵対的生成ネットワークという。敵対的生成ネットワークもどきを構築し、私のテキストを学習させてみたら、驚くほど高精度な出力を見せて驚いた経験がある。コピー人間が、作れる。

シグネチャー・パビリオン「ヌルヌル」。キューブの頂点のひとつがなめらかになっており、穴が大口をこちらに向けている。

コピー人間を大量に走らせ並列処理するという 『エピローグ』円城塔(著)早川書房 的な未来を想像したが、ちょっと壮大すぎるのでやめておく。

遠くに丸屋根リングが見える。「出口」と看板が立っている。

色々話したが、結局私はフィルムで写真を撮りたい。そこで、ハーフサイズカメラを購入することにした。通常の 1 コマのなかに 2 コマ撮影できるカメラだ。単純に考えて倍は撮影できる。コダックが 2022 年に新型を出しているので、それが欲しい。

そして、白黒のフィルムなら比較的安い。次から白黒を購入する。

フジカラーがまだ冷蔵庫に 2 本ある。大切なときに、厳選して使う。

もとは校舎であったらしき木造建築物の廊下から眺めた森。

Camera: Gakken flex, Film: FUJIFILM PREMIUM 400

追記

Kodak EKTAR H35 を購入した。

砂色の Kodak EKTAR H35

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