社会的「烙印」に図書館はいかに立ち向かうのか
- title: 拝啓市長さま、こんな図書館をつくりましょう
- author:
- アントネッラ・アンニョリ
- publisher: みすず書房
- publish: 2016-04-25
- total: 257
- isbn13: 9784622079378
感想
収入、性別、障害、人種、出身地……利害なく人々に与する図書館は、いかに社会的烙印に抵抗するのか。
それは情報の支援によってだ。インターネット接続を持たない人々に、履歴書を送信する手段を提供すること。エントリーシートの書き方を教えること。料理を学ぶ機会がなかった人に、豆腐の賽の目切りを教えること。
それは誤解を晴らす支援によってだ。性的少数派・障害者・移民が、ほかの市民と交流できる場をつくること。黒人が警官と話し合える場をつくること。
いま、公共圏は危機にある。中立な場所……収入も肌の色も関係のない場所が失われている。金持ちは公共のスポーツセンターに行かず、会員制ジムに月額を払う。自宅につくった書斎にこもる。するとどうなるか?貧乏人と、おはなしができなくなる。インターネット接続を得るためだけに一杯のコーヒーを買わなければならない人たち……セカンドハーベストでもらったパンと冷凍食品がこの世の救いだと思っている私たち 1……のことが、理解できなくなる。
誤解なくわかり合うところに学習の動機がある。図書館は市民の大学だ。分断の時代にあって、図書館の役割はこれから一層、重要になっていく。
ここまで読んでくれてありがとう。よければでいいのだが、フィードバックがほしい。 Bluesky や Fediverse、Github から返信するとウェブサイト内にも反映される。健闘を祈る。
Footnotes
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障害年金をもらう前にお世話になったことがあります。セカンドハーベスト・ジャパンのみなさま、その節は本当にありがとうございました。 ↩